まだ病気になっていないから大丈夫…では遅い!
健康寿命を伸ばすためにリンを控えるコツ

まだ病気になっていないから大丈夫...では遅い!健康寿命を伸ばすためにリンを控えるコツ

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この記事は後編になります。

黒尾教授のプロフィール・前編記事はこちら

インタビューの様子はNEXCAREのYouTube版「NEXCARE channel」にて配信予定です。記事と合わせてご覧ください。

後編は前編で老化の原因として取り上げた「リン」の摂取を抑えるためにできることを紹介していきます。

【人生105年、健康で豊かに過ごすためには】

健康寿命とは、自立して人の助けや介護を受けずに生活できる期間です。

これを伸ばすために大切なのは、病気になってから治療を受けるよりも、病気にならないための予防に務めることです。

予防とは、生活改善によって、高血圧や糖尿病、慢性肝臓病といった生活習慣病を抑え込むこと、継続介護の原因となる、脳卒中や心筋梗塞、骨粗鬆症からの骨折などを防ぐことです。

昨今、様々な健康法が提唱されており、まずは正しく科学的根拠に基づいた知識を選び取る必要があるでしょう。

健康とされる個人が自力で知識を得、食事療法・運動療法を適切に継続実施していくことは、なかなかに難しいのではないでしょうか。

健康寿命を伸ばすにはリンを抑制!

健康寿命を縮める要因の一つに「肥満」もあります。

肥満が生活習慣病に繋がっていくため、解消するだけで健康寿命を伸ばすことができます。

・食事によるリンの過剰摂取を控える

肥満の原因の一つは過剰なカロリー摂取ですが、多く食べると、必然的にリンの摂取量が上がります。

リンは特にタンパク質に多く、食品中のタンパクの含有量とリンの含有量は比例すると言われています。

しかしリンには吸収率があり、食べた分がすべて体内に蓄積されるわけではありません。

肉・乳製品などの動物性タンパク質に含まれるリンの吸収率は非常に高く、大豆などの植物性タンパク質に含まれるリンの吸収率は低くなっています。

動物性タンパク質よりも植物性タンパク質を摂取することで腎臓の負担は軽くなります。

リンはあらゆる食品に含有されているため、摂取量を減らそうとすると、食べる量自体を減らすことになりがちです。

タンパク質にリンが多く含まれるからといって、タンパク質の摂取量を減らしてしまうと栄養状態が悪くなり、かえって健康を害することがわかっています。

タンパク質は摂りながらリンだけを抑えるために、なるべく植物性タンパク質の食品を選ぶなどの工夫をしましょう。

・食品添加物に含まれるリンにも着目!

食品添加物は私たちの食生活を豊かにしてくれているのも事実ですが、食品添加物の中にはリンを大量に含むものがあります。そのため食品成分表を見て、「リン」「リン酸塩 」と書かれているものは控えることが望ましいでしょう。例外として、加工でんぷんなどの添加物は、添加物自体にリンは含まれますが、「リン」として記載されていないこともあります。

こういった添加物を意識するのは難しいため、まずは「リン」と書かれているものから意識を初めてみましょう。

また、ソーセージやハンバーグなどの加工食品は、食感を維持するためにリンを入れる必要があるそうですが、自分で作るのなら添加物は必要ありません。

食品添加物を過度に敵視することをする必要はないですが、少し意識するだけでもリンの摂取は抑えられます。子供の成長に欠かせないリンですが、大人は意識的に摂取をコントロールしていきたいですね。

リンの摂取を控えるコツ

老化の原因となるリンの摂取に関して、今から工夫できることは2つ。a

  1. タンパク質を動物性から植物性にシフトしていくこと
  2. 食品添加物で「リン」「リン酸塩」と書かれているものを控えること

こうした小さいことから積み重ねていくことで、健康寿命を伸ばして豊かな人生を送っていきましょう。

国、そして企業が健康のためにできること

国や企業が国民の健康のために行うべきは、健康診断の項目の追加だと考えています。

健康診断は、年齢を重ねるとともに食生活や生活環境が変わり、注目すべき項目も変化していくものです。

成人の健康診断の項目として、尿中のリンを是非測定してほしいと考えています。

クレアチニンは生理的変動因子の影響を受けないため、尿中のクレアチニンとリンの数値を比較することで、体にどの程度リンによる負荷がかかっているかを測定できます。

リンの負荷状況が具体的に分かれば、「リンの多い食材の取りすぎに注意しよう」「骨が減らないよう運動しよう」と、科学的根拠に基づいて健康になるための行動をとることができます

教授も実践!予防歯科で健康寿命を伸ばす

 

私たち「スマートチェックアウト」は国民の健康寿命を伸ばすため、「予防歯科」に着目しています。
近頃は日本でも、定期的に歯のメンテナンスに通う方が増えてきているようです。
黒尾教授は15年ほどアメリカで過ごされたそうですが、驚いたのは歯に対する意識の高さでした。
日常から歯医者へ通うこと、自分の歯で食事ができることが当たり前。
帰国されてからも、歯が痛くなくても歯医者に通う習慣ができたそうです。
日本でも少しづつ、予防歯科も普及が進んでいるようですが、歯が痛くなったり、
不都合が起きた時に行くという人もまだまだ多いようです。

「自分の歯で食べる」ことも健康寿命の条件の一つです。
日本でも、歯周病予防の重要性が認知されていくことが、
健康寿命を伸ばす事に繋がっていくはずです

健康が人生をより豊かにする

現在、健康寿命と生涯寿命の差は約10年と言われています。

その10年をより豊かにするためには、健康寿命を伸ばさなくてはなりません。

健康寿命を伸ばすために今できることを正しく知り、実行し、続けていくことが重要です。
あなたが大切な人、あなたを大切に思う人がより豊かな人生を送れるように、今からできることを共に学び、続けていきましょう。

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